2021年11月29日月曜日

この闇の世界に(日曜日のお話の要約)

待降節第1主日礼拝(2021年11月28日)

エレミヤ書33章14-16節 ルカによる福音書21章25-36節


 中世と呼ばれる時代、ヨーロッパ諸国はたびたびペストに襲われました。この病によってヨーロッパの人口は30%以上減少したそうです。悲惨な出来事ですが、これによって社会は大きく発展したと言われています。

 その時代は、書物は人の

手によって書き写さなければならなかったのですが、グーテンベルクが印刷機を開発したことによって、聖書をはじめとして様々な書物が印刷でき、たくさんの人が読めるようになりました。教会でも、人々はペストを恐れて集まれない分、文書や図版で学んで行ったのです。この出来事はルターたちの宗教改革運動を大きく後押ししました。

 当時の庶民は教会に行くことが絶対でありながら、聖書を読むことは許されず、教会の言う事を盲目的に信じさせられていました。当時の聖書はラテン語で書かれていましたから庶民が読むことは不可能だったのです。しかし宗教改革によって聖書は母国語に翻訳されるようになり、印刷機の発明によって比較的安価で出回るようになります。

 これをきっかけに個人個人が聖書を読み、信仰を養う時代が訪れたのです。これによって知識や情報が一部の貴族や金持ちに独占される状況は終わり、ヨーロッパは近代化していったのです。

 結果として、この時代のペストによるクリスチャン人口の減少は、悲惨ではあったが、悪いことばかりではなかった、神様の御計画がちゃんとそこにあった、と解釈されています。もしかしたら神様は、教会が大事なことを忘れた時に、私たちが聖書からきちんと学び直すために、あえて救いの手を差し伸べず、厳しい出来事に向き合うように導かれるのかもしれません。


 さて、本日読みましたルカ福音書の記述の一段落前には「エルサレムの滅亡を予告する」と小見出しが付けられており、イエス様が弟子達に向かって、「ユダヤの人々にとって非常に悪い出来事が起こる」と予告される出来事が記されています。

 イエス様は「エルサレムが軍隊で囲まれたなら、なんとかしてエルサレムから逃げなさい。この都は異邦人に踏み荒らされるからだ」と言われます。「まもなくここに神の怒りがくだり、ローマの軍隊がやってくる。妊娠中の女性や赤ん坊を連れている女性は逃げ遅れる」そんな衝撃的なことをイエス様はおっしゃったのです。

 この話を聞いた弟子達は、自分たちは神様に守られた素晴らしい都に住んでいると思い込んでいました。神殿がある限りエルサレムは決して滅びないと思っていたのに、イエス様からこんなふうに言われたら、混乱してしまうのは当然でしょう。

 しかしイエス様は続けて、「もはやこれまで、と思うようなピンチに襲われても、身を起こして頭をあげなさい」と言われました。あなた達が自由になるのは大きなピンチの後だ、と教えられるのです。

 西暦70年、イスラエルはローマ帝国との戦いに敗れ、多くの人々が命を失い、神殿は焼け落ちます。まさにイエス様が言われた通りになりました。多くの戦争の場合と同じように「身重の女と乳飲児を持つ女」は逃げ遅れ、命を落としたでしょう。イエス様のおっしゃった通りになったのです。

 イエス様はそのような悲惨な時がまもなく訪れることをご存知でした。その上で「絶望するな」と言われるのです。それは無責任な神頼みでもなければ気休めでもなく、神様ご自身が「神を信じなさい」と言われるのです。たとえ地上の命が不幸なことで終わったとしても、神を信じるものには神の国で生きる命が与えられている、と言われるのです。神の国は、イエス様の御言葉を信じるものには常に開かれていることを約束するから希望を持ち続けなさい、と言われるのです。

 どのような人生であれ、「あなたが大切だ、あなたを神の国に招きたい」そう語りかける神様の御言葉を心に刻み、感謝を忘れない生活をするためにも、しっかりと聖書を読み、御言葉の語られる説教を聞く必要があります。クリスチャンの生活というものは、傍目には日曜日の午前中を拘束される不自由な生活に見えるかもしれません。しかし御言葉、説教を聞くことで、私たちの弱い心はこの世の雑音を振り払い、神様からの恵の御言葉を聞き取る力を養い続けることができるのです。


 2020年から起こった新型コロナ感染症の流行は、多くの教会に強いダメージを与えました。このような中で、私たちの教会は地方の小さな街にあることが利点となり、大規模な感染の波から守られ、連続して礼拝を閉じることもありませんでした。

 その一方でパソコン通信やデジタル機器の活用方法を探ってスカイプやZOOM配信を行い、そのレベルをあげ、遠方に住む方や都合で自宅に留まる教会員も礼拝に参加することができました。ZOOM会議の水準を上げることもできました。

 私たちは地方の小さな群れですが、感染症が世界を襲うこの禍いの時を通して愛を受け、些細に見えたことの一つ一つに神様の守りがあることを再認識することができたのです。

 もちろん、これからも注意を怠らず感染対策をしていかなくてはなりませんが、怯えてばかりもいられません。私たちには「あなたが大切だ、あなたを神の国に招きたい」と語りかける神様のみ言葉を、次の世代に伝えていく役割が与えられているからです。今後、感染症がもう一度広がっていこうとも、あらゆる知恵を絞ってキリストを信じる人、信じたいと思う人が、神様と出会える場所を作り上げて参りましょう。


 間もなく夜の時間、闇の時間が一番長い冬至がやってきます。神様は夜の長いこの時期が光あふれるようクリスマスの恵みをくださいました。クリスマスの本当の意味を知らない人、キリストがどなたであるかを知らない人にも、できるだけ分かりやすく伝えて参りましょう。


昨日から待降節(アドベント)に入りました

大掃除をしたりツリーを出したり

クランツを飾ったり

なかなか大忙しです


11月とは思えないような寒さに戸惑いながら

クリスマスまでの準備を進めて行きます




飯田教会には小さな馬小屋セットがあります
羊飼いも動物も東方の博士もいません
それどころかヨセフさんが持っているはずの杖もなく
天使の姿さえありません
長い年月の間に紛失してしまったのでしょう

特に高級品というわけでもないのですが
味わいが好きで
初めのクリスマスの夜はこんな風だったんだろうな
と想像を掻き立てられながら
この3年、聖卓に飾っています


ツリーもクランツも準備完了!
次は私たちの心も大掃除して主をお迎えする準備しなくては!

 

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