2021年2月2日火曜日

ONE TEAM(日曜日のお話の要約)

日本福音ルーテル飯田教会総会礼拝(2021年1月31日)
コリントの信徒への手紙Ⅰ 12章27節


 2020年から2021年にかけて、世界がこんなにも大き変わってしまうとは、誰も想像していませんでした。昨年の今ごろ、横浜港に停泊した豪華客船ダイアモンドプリンセス号の乗員、乗客が新型コロナウィルスに感染し、大ニュースになりましたが、その時は間も無く収束するだろうくらいにしか思っていませんでした。。
 その後、春になって飯田市でも感染者が出ました。一旦は数人で留まりましたが、それ以降はみなさんの協力の元、マスク着用、換気、手洗い消毒を行い、この1年は途切れることなく礼拝を行い、聖餐式にも預かることができました。その間にスカイプを使ってリモート礼拝の準備も進めることができました。
 長野県内では、松本よりも北側の町々で感染者が多く出ましたが、飯田はずっと穏やかでしたので、なんとなく楽観していた矢先、正月が過ぎてあれよあれよという間に陽性者が急増し、火曜日には100人を超えました。そのため、ついに1月17日と24日はリモートのみの礼拝となりました。

 新型コロナウィルスへの恐れと緊張状態の中で、自律神経のバランスが乱れたとか、職を失って深刻な状態になっている方のニュースもひっきりなしに聞こえてきます。ついには自宅療養中に自ら命を絶つ人まで現れました。
 ワクチンと特効薬が行き渡るまで、日常生活も教会生活も感染防止策が最優先されることになります。当面の間は、大人数で集まることは避けなければならないでしょうし、生活のすべての面で不自由を味わうでしょうし、経済が回復するにも時間がかかるでしょう。

 ニュースでも再三言われていますが、私たちの毎日はまさに危機的状況にあります。しかしこのような状況だからこそ、2021年度も「ワンチーム」として、共に歩むことを目標とし、総会資料の表紙にも昨年同様「ワンチーム」の文字を入れました。
 ワンチームという言葉が、私たちの心に深く刻まれたのは、2019年に日本で行われたラグビーのワールドカップの折です。日本のチームが優勝候補の国を破り、ベストエイトまで登りつめたのです。
 ラグビーでは「国の代表チームでプレーする資格」の条件の一つに、どこの国の出身であろうとも、その国に「36ヵ月間」継続して居住していれば構わないそうです。それが良いか悪いかは別として当時の日本代表チームは選手の育った国もバラバラ、経験も戦術や身体能力もバラバラでした。
 しかしやがて選手達の中から「一体感のあるチームを目指そう」という思いが湧き上がって来て、当時のヘッドコーチが「ワンチーム」をスローガンとして発表しました。そんな彼らの戦いの様子は、日本だけでなく世界に感動を与えました。
 その後、長野県を襲った水害をはじめとし、各地でのボランティア活動でも「ワンチーム」という言葉が、苦難に立ち向かう合言葉として使われるようになりました。

 飯田教会、飯田ルーテル幼稚園で、この言葉を使うようになったのは昨年からです。私が2019年の4月に牧師兼チャプレンとして赴任した時は、かなりの困難を覚えながらの出発でしたが、1年が経過した昨年の総会時には、様々なことが良い方向に進み始める兆しがあり、明るい気持ちで終えることができました。
 ところが今年度になって、幼稚園を学法化する計画は、当初考えていた羽村ルーテル幼稚園の仲間に加わるということが難しくなり、白紙になりました。逆風が吹いたなあ、という思いもありましたが、単独で学法化する筋道も備えられ、準備も進み始めました。困難はありますが、目指すべきところはちゃんとあるのです。

 私たちの教会は長年、ルーテル幼稚園を通して伝道を行って来ました。教会員の多くは、卒園生の保護者としてここに集い、洗礼を受けました。しかし、この数年で「幼稚園」は「こども園」に変わり、システムも雰囲気も大きく変化しました。アレルギーのお子さんの食事に対応するために教会員が給食室に立ち入りできなくなったり、園児そのものとの関わりが薄くなったりと、様々な違いが生じました。それでも共にやっていこうという姿勢を打ち出し続けて来ました。

 今、子ども園はその責務を果たすため、障害を持っているお子さんをさらに積極的に受け入れています。保護者ですら自分の子どもとどう接すれば良いのか戸惑っている場合もあります。また、複雑な家庭事情を持つ園児も増えています。そのようなお子さんと過ごすために、先生方は学校で専門知識を身につけて現場で働きますが、教師の側が心に傷を負うこともあると聞いています。
 このコロナ禍にあって、私たち教会員はかつてのような関わり方はできなくとも、ここに集う人々の苦境を理解し、自分に何ができるか考え、直接には手を差し伸べられなくても、さらに祈りを熱くする必要があります。子どもたちや保護者の方と接する最前線に立つ先生方の多くはクリスチャンではありませんが、同じ場に集うチームです。

 先ほど朗読しましたコリントの信徒へ手紙の中で、「あなたがたは一つの体」と記されているのは、イエス様をかしらとする、キリストの体のことです。その体は、この世を癒すためにあり、また良き働きをするためであり、悲しみや苦しみにある人を慰め、励まし、活かすために存在するのです。み言葉に促されて一人一人が主イエス・キリストの体であることを覚えるなら、誰が偉いとか、誰が劣っているとかもありません。
 飯田教会と飯田ルーテル幼稚園は、園児も保護者も先生も教会員も、ワンチームであると深く覚えるとき、私たちは聖霊なる神の働きを感じつつ前進することがができるのです。

 総会を控えたこの一週間、どんな形で開催するべきか判断に苦しみました。結果として窓を開け放ち席の間隔をあけ、賛美は心の中で、という形で礼拝を守り、会合を行おうとしています。困難な時こそ、私たちが一つとなって祈り、なすべきことに思いを馳せましょう。そして、立場を超えて主イエスの体として一致していきましょう。
 繰り返しになりますが、私たちはワンチームです。神様のご用を果たすために、この一年はあります。神様の守りと導きがあることを信じて、やがてこの状態から自由になった時、神様の御業を共に賛美することを思い描き、真摯に互いの言葉を受け止めながら、私たちのかしらは主イエスであり、この方を中心にして共にあゆんでいることを確認して、一歩一歩進んで参りましょう。


可能な限り長椅子の間隔を広げ
窓を開け放ちました
暖かい日でよかったです

新しいサーモメーターを購入しました
カエルキャラ大好きの牧師夫人のチョイスです

礼拝に訪れ、検温される方が
少しでも笑顔になりますように

0 件のコメント:

コメントを投稿