2022年3月14日月曜日

み翼のかげに(日曜日のお話の要約)

 四旬節第2主日礼拝(紫)(2022年3月13日)
フィリピ3章17-20節(365) ルカ福音13章31-35節(136)

 今、テレビではロシアの砲撃で破壊されたウクライナの町々と傷ついた人々が次々と映し出されます。ウクライナのキリスト教会も攻撃で破壊されたと聞きました。ウクライナのキリスト教はロシアと同じ東方教会に分類されますが、2017年にウクライナ正教会となりました。キリストの教えは一つでも、教派が別れてしまったため、大変な時に二国間の橋渡しをすることができないでいるようです。
 しかしイエス様は、地上の人々が怒りを抱えて生きることを喜ばれる方ではありません。どれほどの憎しみがあっても、希望と愛と信仰を持って、和解の道を歩んでほしいと願って、父なる神様はイエス様を地上にお送りになったのです。

 世界全体がおかしくなってしまいそうな危機を目の前にして、自分は神様に愛されているのだ、と信じ続けることは大変難しいかもしれません。それでもイエス様は「あなたはみ翼のかげに囲われている」と教えられるのです。

 本日の福音書では、ファリサイ派の人々がイエス様に「ヘロデがあなたを殺そうとしています」と告げます。このヘロデとはイエス様が赤ちゃんだった時に暗殺計画を立てたヘロデ大王ではなく、その息子ヘロデ・アンティパスです。彼は元々の妻と離婚して、兄の妻だったヘロディアと結婚したのですが、これはユダヤの律法に触れる出来事だったようで、それを洗礼者ヨハネに糾弾され、結局ヨハネを処刑したことで有名です。ヘロデ・アンティパスは王様ではなく、ガリラヤとヨルダン川をはさんだ斜め向かい側のペレアに領地を持っていました。イエス様が宣教の拠点としておられたガリラヤの領主だったのです。

 このとき、イエス様はヘロデの治めるガリラヤを後にして、エルサレムへ向かって進んでおられました。これを知ったファリサイ派の人々は「ヨハネを殺したあのヘロデ・アンティパスがイエス様までも暗殺する計画があります、逃げてください」と伝えます。しかし本音は「命が惜しかったらとっとと立ち去れ、2度と戻ってくるな」というところでしょう。イエス様と対立していたファリサイ人たちはイエス様がヘロデを恐れて逃げたという噂を広めようと考えたのかもしれません。

 しかしイエス様はヘロデのことを「キツネ」と呼び、ファリサイ派の人々の言葉をまともには取り合いませんでした。イエス様はご自分のことよりも、イスラエルが迎える事になる悲劇的な出来事に心を痛めておられたのです。
 当時のイスラエルはローマ帝国の支配下にあったため、自由な政治はできませんでしたが、それにしても堕落しすぎていました。神殿を中心とした宗教国家でありながら、指導者たちは神様の御心を第一にするよりも、ローマとの力バランスを第一とし、自己保身や自分の利益のためならば自国民を虐げるのも仕方がない。そのような考え方に流されていたのです。

 イエス様の時代から1000年近く前、神様は英雄ダビデを通してイスラエル民族をまとめ、イスラエル王国を形作られました。本日のお話のタイトル「み翼」という言葉は、詩編に繰り返し登場し、「ピンチの時にも守られる」というイメージを伝えた言葉ですが、中でも61編はダビデ王がクーデターにあい、命を狙われた時に歌われたものであろうと言われています。
 ダビデ王は立派な王でしたが、多くの妻と王子を持ったことが発端となって家庭を治めきれず、実の息子アブサロムに一度は王座を追わます。しかし神はダビデを救い、アブサロム子は自滅しました。この出来事はダビデに激しい痛みと悲しみを与えましたが、ダビデは次の王座を息子ソロモンに譲り渡すまで、神様から与えられた使命を全うしました。

 このソロモン王が初めてエルサレムに神殿を建てたのです。以来この場所は神様がイスラエル民族を守ってくださることの象徴となりました。ところがその後、人々は同族同士で争い、国は南北に分かれます。北も南も、神様から遣わされた預言者たちの警告を聞かず、石で撃ち殺し、破滅の道を突き進んでいくような出来事を繰り返し、やがて北側の国は戦争に敗れて消滅しました。
 それでも神様はエルサレムを決して見捨てず、幾たびも幾たびも預言者を遣わし軌道修正なさいました。めんどりが翼の下にひなを集めるように無償の愛で守ろうとなさったのです。人々はどん底まで落ちてようやく神様の愛に気づき、深い悔い改めを持って神様に立ち帰り、自分は「み翼のかげに」守られているのだと感謝しつつ建国の理想を取り戻してきたのです。

 しかしイエス様の時代、彼らは再び過ちを犯しました。それによってエルサレムは破滅を迎えようとしていました。イエス様の時代から数十年後の西暦70年、イスラエルはローマ帝国との戦争に敗れ、エルサレム神殿は完全に破壊されます。イエス様は全てをご存知の上で、今一度人々に手を差し伸べ、み翼の陰に招き入れようとされたのです。そのためにはイエス様がエルサレムで十字架につき、神様の不滅の愛を伝えることがどうしても必要でした。イエス様は神の御心が表されることを信じ、弟子達を従えて歩み続けられたのです。
 十字架とは、神様の驚くべき愛の最高の形であると同時に、人間の罪深さの最悪の形でもあります。神の愛と己の罪深さを目の前に突きつけられ、それを受け入れ、背負って歩いていくのが私たちキリスト者なのです。

 今、私たちは困難な時代に生きています。それでも、十字架で忍耐されたイエス様を再び悲しませることなく、「主よ過ちを悔い改めます、お助け下さい」という信頼の言葉を持って神の前に立ちましょう。み翼をのべて私たちを覆い、平和と愛と信仰を与えてくださる神を信じて、この危機の時も共に祈って歩んで参りましょう。



先週土曜日、12日は今年になって初めて
土曜学校を開くことができました
まん延防止等特別措置は解除されましたが
県独自の警戒レベルはまだ高いままなので
幼稚園としては大勢の小学生が
園の敷地に入ることはちょっと厳しく
今回は在園児が土曜学校に参加しないという方針で
なんとか実施することができました

小学生のきょうだいと参加している在園児
どうしようか、ということになり
残念ながら「きょうだい丸ごと」不参加をお願いすることに
なってしまいました
こんな制限が早くなくなり
参加したいと思ってくれる子どもたちは皆んな
受け入れられる日が1日も早くきますように



小学生と教会スタッフのみ
ソーシャルディスタンスを守っての礼拝です
讃美歌も手話で「りょうていっぱいの愛」を表現しました

お待ちかねの工作
和紙の折り紙を使ってチューリップのブーケ制作

予想よりも手こずりましたが
皆んな一輪ずつ可愛いチューリップを作りました


おなじみ工作名人M姉妹
色違いの可愛いチューリップができました

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