2020年2月10日月曜日

地の塩、世の光(日曜日のお話の要約)

顕現第5主日礼拝(2020年2月9日)
イザヤ58:1-9a    Ⅰコリント 2:1-12 マタイ福音書 5:13-20

 塩というのは、大昔から人間いとって欠かせないものでした。
 日本で塩が使われるようになったのは、縄文時代の終わりから弥生時代にかけて、つまり紀元前400年ごろのようです。
 兵隊のことを英語では、ソルジャーといいますが、元は給料を塩で貰っていたということから。また給料をもらって働く人のことをサラリーといいますが、これもラテン語で、「塩」という意味です。古代から、働いた報酬として「塩」が与えられました。料理だけでなく、防腐剤や、消毒剤となる貴重なものであることがわかっていたからです。

 つまりは、塩というのは、私たちのすぐ身近にあり、日常生活のあらゆる面で決して欠かすことができない、そのような存在なのです。
 
 本日の福音書でも、塩というのはそのような存在としてイエス様の例えに登場します。「地の塩」というのは、もちろん地面に落っこちた塩という意味ではなく、この世の中の人々と共に存在していて、たとえ少数派であっても、その社会が腐らないように、批判する精神を持っている人のことを指しているのです。

 批判的精神というと、あまり良い印象がないかも知れません。人が一生懸命やっていることを、なんだかんだと言ってくる口やかましい人間。そんなイメージが浮かぶからです。あの人の一言で何もかも台無し、ということもあるでしょう。
 しかし、そのような皮肉屋と、イエス様のいう地の塩、つまり批判精神をもっている人とは根本的に違うところがあります。皮肉屋は少なからず「人を凹まして喜ぶ」ところがあります。どうだ俺の意見は正しいだろう、と言いっぱなしで踏ん反り返るのです。
 しかし正しい批判精神をもっている人は違います。自分の批判的な一言で人が凹むのを苦しみをもって見守ります。踏ん反り返るのではなく、たとえ嫌われても、正しい方向は何なのか共に考え、痛みを共有しようとします。そこに「愛」があるのです。

 キリスト者は何のためにこの地上に存在し、誰と共に生きていくよう命じられたのかということを改めて思い出さなければなりません。弱いものと生きていく、小さきものと生きていくということが、神様から求められていることなのです。
 
 私たちがなぜこの教会に集められ、日曜ごとに共に祈りの時を持つのかと問われるならば、小さな集まりの中でボスザルのように権力を持つためではありませんし、単に自分に優しくしてくれる人に依存じたり甘えたりするだけの場所でもありません。
 何よりも、神様が出合わせ、結びつけてくださった集まりの中で、神様の望みと導きに従って、日々誰かに寄り添い、また寄り添われながら、互いが互いにとって欠くことのできない塩となって歩んで行くことなのです。
 
 また、イエス様は、「あなたがたは世の光です」とおしゃってくださいました。もちろんイエス様ご自身は真実の光であり、又、神ご自身も光です。その御方があなたがたも同じく「光」だと言ってくださるのです。あなたがイエス様の招きに応じた時から、あなた自身がどう思おうとも、すでに神の栄光の光に包まれているのです。

 自分が地の塩であり、世の光であることに自信を失う時、聖書と祈りに立ち返りましょう。聖書に記された歴史から、詩編に記された言葉から、多くのことが学べます。預言者の言葉も、そして、新約聖書に移った、イエス様の言葉も、弟子たちの言葉もパウロの言葉、ヨハネ黙示録からも、私たちが何かを学び取るために、私たちに読める言葉として神様が与えてくださいました。信仰を増し加えるために、聖書を素直に学ぶだけなのです。素直に学ぶことで、神様の言葉が蓄えとなり、どんな世の中にあっても生きていくことができるのです。
 泣きたいことを祈りにし、かなしみを讃美の歌に変えていきます。世の中から変人だと言われても構わないのです。それが私の生きる道であり、神様が備えて下さった生涯なのです。

 たとえ、半べそをかきながらでも、主イエスと共に、寄り添うわれながら生きることを喜びとし、周りの人々に誤解されても、やり通すという立派な行いを決して曲げず、いつの日か、この教会に関わる人、この園に関わる人が天の父、神様をあがめるようになることを祈り続けましょう。
 この私たちが、この教会ができることを正しく批判的な言葉と眼差しを持って判断し、次の世代につなげるために、塩のように光のように仕えていきましょう。


先週の土曜日、幼稚園の年長児の降誕劇が「役がわり」で行われました
なぜこの時期に?とお思いでしょう
役を取り替えて遊んでいるうちに、たくさんの人に見ていただける
レベルになったため、急遽礼拝堂での公演の運びと相成ったのです
お家の方もたくさん来てくださり、楽しいひと時となりました




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