2018年1月7日(顕現主日聖餐礼拝―典礼色―白―)、イザヤ書第60章1節-6節、エフェソの信徒への手紙第3章1節-12節、マタイによる福音書第2章1節-12節、讃美唱72(詩編第72編1節-15節)
説教「異邦人に示された救い」(マタイ福音書第2章1節~12節)
2018年に入っての最初の日曜日は、顕現主日あるいは公現主日と言われ、古くから、伝統的な教会ではマタイ福音書第2章1節から12節が読まれます。
そして、この日は、東方教会では、今でも、この箇所が読まれて、クリスマスとして祝われています。今日与えられている旧約聖書の日課、使徒書の日課、また讃美唱の詩編の72編の記事も、いずれも異邦人に救いが、そして、キリストの福音が宣べ伝えられていくことを、預言し、あるいは証言しています。異邦の王たちが、まことの王、救い主イエスのもとに向かって、金や乳香、香料などの財宝を携えて、忠誠を誓い、ひれ伏し仕えるために到来するというのです。
さて、1年の初めの主の日に当たります今日、この記事を与えられているのは、何のためなのでしょうか。この新しい一年、2018年はどのような年になるのでしょうか。この新年をどのように、皆さんお迎えでしたでしょうか。私は、新年礼拝を守った後、翌日にとんぼ返りでしたけれど、松山の母や妹を訪ねて帰省してきました。今年88歳を迎えます母は、かなり認知症が進んでいるようでした。一生のうちで、私たちが元気に過ごせる時間というものも、限られていることを改めて感じさせられたことでした。
今日のテキストの、東の方で、その方の星を見たので、私たちは、その星に導かれて、お生まれになったユダヤ人の王を拝みに来たのですという記事を思い起こさせられました。私たちを導く星とはいかなるものでしょうか。私たちを導く主の星は、今年どこに私たちを導こうとしているのでしょうか、今日の福音から聴いていきたいと思います。
マタイ福音第2章1節以下は、もとの文を見ますと、このように始まっています。
「で、そのイエスは、ヘロデ王の日々において、ユダヤのベツレヘムにおいてお生まれになった」と。そのお誕生の場面、状況は、ルカ福音書のようには何も記されてはいません。
その時、東方から、マゴスと言われる者たちが、エルサレムに到着して、言うのです。
「お生まれになったユダヤ人の王はどこにいますか。私たちは、その方の星の昇るのを見たので、拝みに来たのです」と。ところが、これを聞いたヘロデ大王は、うろたえた。さらには、エルサレムの全住民もそうだったとあります。なぜでしょうか。ヘロデ大王は、自分は、ユダヤの出ではなく、イドマヤ、エドム人の血を引いており、水道工事やエルサレム神殿の再建など、行政的には非常な実績をあげていましたが、正当なユダヤ人たちの王ではなく、長い統治の晩年には、猜疑心が強くなり、自分の妻や息子も殺めたりする残虐な支配者であり、そのことは、この記事の後の嬰児虐殺をみてもわかることです。
それでは、全エルサレムも、同じだったとは、どういうわけでしょうか。そこには、エルサレムの慰められるのを待ち望んでいたシメオンやアンナもいたのではなかったか。確かに敬虔な、救いを待ち望んでいた住民も少なくなかったでしょうが、その指導者たちをはじめ、ここに住むユダヤ人たちが、結局は、主イエスを十字架にまで追いやり、その血の責任は我々と子孫にあると公言するに至るからであります。
新しい誠のユダヤ人の王を必要としないどころか、それは、自分たちの現状維持にとって不都合なものだと、不安におびえたのであります。私たちは、どうでありましょうか。
さて、ヘロデは、聖書に詳しい、民の祭司長たちや律法学者たちを皆呼び集めて、どこにメシアは生まれるのかと、問いただします。彼らは、一致して、すぐこう答えます。「ユダのベレツレヘムです。なぜなら、こう預言者が語っています。ユダのベツレヘムよ、お前は決してユダの君たちの中で最小の者ではない。お前の中から治める者が出て来、その者が我が民イスラエルを牧するであろうと。」
ヘロデは、今度は、マゴスたちを密かに呼んで、星が昇り、輝いたのはいつかを詳しく尋ね、突き止めます。そして、彼らを送り出して言うのです。「お前たちは行って正確にその子のことを調べてくれ。そして見つかったら、私に報告してくれ、私も拝みに行きたいから」と。彼らはこれを耳にしながら出て行きますと、見よ、その昇るのを見たその星が彼らに先立ち、その子のいる真上にまで進んで、そこでぴったりと止まったのであります。「彼らはすこぶる大きな喜びを喜んだ」とマタイは、その喜びの大きさを特別に表現しています。彼らが捜しに探して、ここまで来た、そのお方についに達した喜びであります。私たちが捜しに探して歩んできたものは、何でありましょうか。私たちが心の底で求めてやまなかった方は誰でありましょうか。
彼らは、家の中に入ると、そこにその子を、その母マリアと共に見出し、跪いてひれ伏し、その宝箱から持参した贈り物、金、乳香、没薬をささげます。そして、夢でヘロデのもとに戻るなとのお告げを知らされ、別の道を通って彼らの本国へ帰って行ったのでありうます。彼らはいかなる出自の者だったのでしょうか。マゴスとは、魔術師とも訳されます。ただはっきりしていることは、彼らは神の民イスラエルには属さず、東の国から来た異邦人たちであったということです。その彼らに、星の輝きが示されて、その星のたどり着くところまで導かれて、その星の主を知り喜びにあふれ、そのお方に礼拝をし、最高の贈り物をして、変えられて、自分の国に帰って行ったということであります。
私たちも、この星の輝きの主を知っております。このお方を礼拝しつつ、すべての私たちの持ち物をこのお方のために用いる、そのような一年とさせたいものであります。
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☆今、毎月第1金曜にルターの学びをしています。現在はエンキリディオン、小教理問答書を学んでいます。「主の祈り」が終わったところです。大教理問答書は絶版ですのでコピーしていますができれば毎日少しずつでも3冊を並べて聖書個所が挙げられていれば必ずそこも聖書を開いて参照しながら学ぶのがコツです。聖書日課等と一家で夕食前等お薦めです。(次回2/2、金曜に、洗礼・聖餐・懺悔)。尚、2月18日(日)は特別伝道礼拝日!
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