2018年7月4日水曜日

最近読んだ本からー「牧 会 学 Ⅱ            世俗化時代の人間との対話」


―最近読んだ本からー「牧 会 学 Ⅱ
           世俗化時代の人間との対話」
E・トゥルナイゼン 著     
加 藤 常 昭   訳
発行所  日本基督教団出版局
19701130日 初版発行
        定価:1700円(古本屋、アマゾンなどでお求めください)
 トゥルナイゼンの加藤先生訳「牧会学Ⅰ」が世に出たのは1961年であった。そして、本箸の訳本が出たのは197011月30日とあるから、ほぼ10年近くたっていることになる。そして、この本には副題として「世俗化時代の人間との対話」と記されている。「牧会学Ⅰ」は総論とすると、この書は、各論と言えるだろうか。
 加藤先生から、トゥルナイゼンの牧会学、原文は「魂の配慮の教科書」とも訳せる題であるが、この本との出会いが、当時、牧師となって間もないころ、迷っていた先生を立ち直らせ、再び確信をもって、牧会、伝道に邁進することができるようになったとお聞きしたことがある。
 「牧会学Ⅱ」はすばらしい翻訳で、紹介されており、10年近くたった加藤先生の研鑚ぶりが躍如としている。加藤先生は、現在は、説教塾の主宰をなさっておられるが、御自分の紹介を一言「神学者」として表明されている。東京神学大学で「説教学」を長らく教えておられたが、鎌倉雪ノ下教会でながらく牧会され、教会の牧師として、引退なさるまでを過ごされた先生である。説教をどのようにして豊かなものにするかを説教塾で、今も熱心に指導されている。 さて、「牧会学Ⅱ」は、説教は、牧会の中で生まれてくるものであり、説教者は、教会員との深いかかわりあいの中で、初めて主の日の礼拝説教も、力を持つものとなるとトゥルナイゼンは、この書を書き出す。そして、現代の世俗化時代の人間との対話と副題にあるように、牧会者がぶつかるこの世での困難な問題、結婚問題や病者やさらには死を迎えようとしている者や悲しんでいる者への慰めの牧会について、聖書の説く慰めがどのようなものであるか、医師と牧師との連携などを神学的に解明していくのである。この翻訳が出てからも、50年近くなるが、今の時代の私たちにも、尚大きな光を与えてくれる重要な本に違いない。トゥルナイゼンは、この書にも出て来る、説教学者ボーレンと共にカール・バルトの「神の言葉の神学」に立つ神学者である。














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