2020年4月20日月曜日

復活の主(日曜日のお話の要約)

復活節第2主日礼拝(2020年4月19日)
ヨハネによる福音書 20:19-23
 

 本日読んでいただきました箇所は、イエス様が弟子たちのところに現れ、「聖霊を受けなさい」と語りかけながら息を吹きかけられた場面です。

 聖書をよく読んでおられる方は、ここから二つの聖書箇所を思い出されるのではないでしょうか。

 一つ目は旧約聖書の創世記2章7節です。神様が最初の人間アダムを作られた時、その鼻に命の息を吹き入れられます。そうしてアダムは命あるものとなりました。
 ヨハネはこの箇所を引用したのです。よみがえられたイエス様が、弟子たちに息を吹きかけてくださったことで「彼らは再び命を与えられ、新しく生きるものとなった」、ということを告げているのです。
 この時弟子たちは、イエス様を殺したユダヤ人たちが自分たちをも殺しに来るかもしれないと恐れ、隠れ家に鍵をかけて閉じこもっていました。そのような彼らのところにイエス様は忽然と表れ、ご自分が確かに復活されたことを証しするために、十字架の上で傷つけられた、手と脇腹の傷跡まで見せてくださいました。
 その上で、彼らに息を吹きかけることで恐れを取り除き、生きる力を取り戻させ、信仰を強め、伝道する力を与えてくださったのです。怯え、傷つき、本当に土くれのようになってしまった弟子たちが、イエス様から息を与えられることによって、再び命ある、生きたものにななったのです。
 このことから、ヨハネ福音書のこの箇所は、「新しい創造の幕開け」とも言われています。

 では、ここから思い出される二つ目の出来事は何でしょう。それはペンテコステ、聖霊降臨の出来事です。ペンテコステといえば普通は使徒言行録2章4節の出来事を指します。
 ルカの著したこの使徒言行録によれば、イエス様のご命令によって、集まった人々は祈りを捧げ、イエス様が約束してくださった「聖霊なる神」が来てくださるのをひたすら待っていたのです。
 そこへ突然激しい風が吹いてくるような音が聞こえ、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまります。この時を境に、彼らはイエス様の御言葉を広く伝えるために力強く立ち上がり、神様が導いてくださるところへ遣わされていったのです。
 ルカの記録したペンテコステの出来事と、ヨハネが記録した本日の箇所を比較してみますと、「聖霊を受ける」「イエス様に遣わされる」という、二つのキーワードが共通しています。そこからこの箇所を指して「ヨハネ福音書におけるペンテコステである」と説く研究者もいます。
 
 つまり、本日選ばれた箇所には「新しい創造の幕開け」、そして「ペンテコステの出来事」が重ね合わされてるのです。今、私たちにこの御言葉が与えられたことは偶然ではありません。

 私たちはこれから先、コロナウイルスのために、どれほどの期間、鍵のかかった家に閉じこもらなければならないのか誰にもわかりません。しかし、イエス様は会いに来てくださり、力を与えてくださいます。私たちが土くれのように希望を失っても、御言葉を通して取り戻させてくださいます。そして聖霊なる神は目には見えなくても、私たちが今何をなすべきか、導きを与えてくださいます。

  十字架に掛かられ、復活され、私たちに出会いに来てくださったイエス様は今も確かに共におられます。私たちがこのウイルスとの戦いに勝ち、再び自由になった時、イエス様に生かされたものとして、再び新しい世界を目指して、共に手を取り合い教会活動の歩みを、神の御心に沿いながら、歩んで参りましょう。その日が来ることを信じてまいりましょう。





飯田教会は市街地にありますが
ほんの数分車を走らせただけで
美しい田園風景が広がります





ここは梨畑のようです




先ほどまで強い雨が降っていたので少し傷んでいますが
花桃はまだまだ見頃です

0 件のコメント:

コメントを投稿