聖霊降臨後第7主日礼拝(2020年7月19日)
イザヤ44:8 ローマ8:12-15 マタイ福音書13:24-30
本日のたとえに登場する人々が育てているのは麦です。生きるために最も大切な作物です。それなのに、自分達が眠っている、ほんのちょっとの隙に、畑の真ん中に毒麦の種を蒔かれてしまったのです。しかし主人は僕たち責めることなく、収穫する時まで待てと命じます。良い麦と毒麦を一緒に実らせておき、最終的に選別するから大丈夫だ、というのです。
調べてみますと、イネ科の中にドクムギ属と呼ばれる分類がちゃんと存在していて、アルカロイドという毒を含んでいるそうです。ドクムギは成長しきらないうちは小麦とよく似ていて、根も小麦と入り組んでいるため、無理に引き抜くと良い麦を間違って抜くことになりかねないそうです。そこで主人はあえて収穫の時を待ち、はっきりと二種類の麦の穂が判別できるようになったら、毒麦の穂を先に借り集めて焼いてから安落ち着いて小麦を刈り取ることにしたのです。
しかし、興味深いことに、どうやら、この僕たちが刈り取る作業をするのではないようなのです。30節を見ますと「刈り取る者」というのは他にいるようです。
この例えで押さえておくべきは、僕たちの役割は、主人が種を蒔いた畑を見守り、管理し、小麦も毒麦も共に育てていくことなのです。
このたとえについて、37節以降でイエス様が改めて解説しておられます。これを私たちの身近なところに当てはめてみましょう。
「イエス様がこの世に来られて、弟子たちを集め、育てておられます。そこは豊かな畑のようです。今の教会をイメージして見てください。
しかし教会に集うようになった人の中には、教会を混乱させる者も出てきます。伝道がうまくいかなくなる様子は、まるで悪魔に妨害されているようです。しかしそういった人々を裁いて教会から追い出してはいけない。成長の過程で「悪い」と判断して、抜いて捨ててしまうのは同じ教会の中にいる人々の役割ではない。この世界が終わる時、天使、つまり神様から任命された御使がその役割を果たすことになっている。あなた方はとにかく忍耐し続けるように、そうイエス様がいっておられる」
イエス様は、私たちが憎しみや怒り、自分独自の正義感に振り回されやすいことをご存知です。また、せっかちですぐに白か黒かと決着をつけなければ気が済まないところがあるのも知っておられます。だからこそ、カッと頭に血が上ったり、結論を急いでイライラしたりするときこそ、主の言葉をわが身に当てはめて聞いて行く必要があります。世の中一般の「こうしたほうがいい」という無責任なアドバイスや価値観に振り回されないように注意しなければなりません。
「御霊(みたま)に生きる」とは、何か根拠のない、見えないものにすがるのではありません。私たちを導く「御霊」、「聖霊なる神」は、聖書のみ言葉を通してどんな時も語りかけてくださいます。自分の心に毒麦のように生えてくる怒りや憎しみを正当化しながら生きるのではなく、また、無理やり抑え込んでストレスを溜めるのでもなく、毒麦かもしれない存在と共に生きることの中にも恵みや楽しみを見出しながら、必ず訪れる収穫の時を待ち望みながら生きる。み言葉に導かれるなら、こんな私たちでも必ずそうなれる事を、主は教えてくださるのです。
この毒麦のたとえを記したマタイは徴税人でした。社会の嫌われ者、と軽蔑の目で見られたマタイは、イエス様に招かれて弟子となり、やがて伝道者となります。かつてのマタイは、他の人から見れば抜かれて当然の毒麦のような存在でした。しかしマタイは自分をそのように扱った人々に、イエス様の愛を伝える立場となったのです。
伝道活動していく中でマタイは、ユダヤ教とキリスト教のぶつかり合いを体験します。ある場所ではユダヤ教徒がキリスト教徒を迫害し、別の場所ではその反対のことが起こります。どちらも自分たちこそ神様の教えに忠実だ、と張り合い、憎しみあい、結局御心から離れてしまう様を何度も見たことでしょう。だからこそマタイはすべてのキリスト者が、収穫の喜びを待つ間に起こる憎しみや怒りの感情で暴走するのではなく、主の手に委ねながら生きていくことを教えたのです。
大人も子どもも、主に招かれてここに集う私たちは何度でも何度でも、み言葉に耳を傾け、やり直していく必要があります。わたしたちも、今も、これから先も御霊に生きるものです。憎しみや怒りに生きる以外にキリストの愛に生きていくという道が与えられているのです。
先週の金・土は
年長クラスの「一泊お泊り保育」でした
あいにくの雨でしたが
先生方の周到な準備によって
無事に楽しく終えられ、感謝です
写真は1日目3時過ぎに行われた
「お買い物」の様子
あらかじめ10円玉を10枚渡された子ども達が
セットしてあるおやつを買いにきます
さっと決める子
迷いに迷う子
様々で見ていて興味深いです
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