2020年4月6日月曜日

最後の晩餐(日曜日のお話の要約)

四旬節第6主日礼拝・主の受難(2020年4月5日)
イザヤ書50:4-9a マタイによる福音書26:26-30

 本日読みました聖書箇所は、レオナルド・ダビンチの作品でも有名な「最後の晩餐」です。ユダヤ人にとって非常に大切な「過越の祭り」での出来事です。

 過越の祭の起源はイエス様の時代より1000年以上前の出エジプトの出来事に遡ります。
 ユダヤの民はエジプトで奴隷となって生活していました。エジプトの王は何が何でもユダヤ人をエジプトから出すまいと決めていましたが、そこにモーセがリーダーとして登場します。モーセは神様がエジプトに次々と災いを起こすと告げますが王様は頑固なままです。そこでついに起きた10番目の災いは、エジプト中の長子が死ぬ、という恐ろしいものでした。

 その時ユダヤの民は、モーセを通してあらかじめ神様から指示を受けていました。家の鴨居に小羊の血を塗るように、子羊の血の印があれば、災いから逃れられる、そう聞いた人々はその通り行います。その上で、明日はエジプトから脱出できるという神様の言葉を信じ、旅の支度をして、指示に従って立ったまま、子羊の焼肉と膨らんでいないパン、苦菜、というメニューで食事をしたのです。

 その夜のうちに、子羊の血を塗らなかったエジプトの家の長子は皆死んでしまいました。エジプトの王様の長子も死んでしまったのです。怒り狂ったエジプトの王はモーセを呼び出し、ユダヤ人をエジプトから追い出します。
 エジプトにとっては恐ろしい出来事ですが、ユダヤの民にとっては解放の記念日となりました。それ以来、過ぎ越しの祭りは、大切なお祭りとして代々受け継がれていきました。

 ユダヤ人はこの食事会を家族単位で大切に行ってきました。しかしイエス様と弟子たちは故郷から遠く離れたエルサレムにいましたので、仲間とともに部屋を借りてお祝いすることとなったのです。
 そしてイエス様が主人役、つまりもてなす役をお勤めになりました。
 食事が次々と運ばれてくると、主人はそれにはどんな意味が込められているのか長々と説明するのが普通だそうです。先ほどの出エジプトのお話を思い出していただきたいのですが、例えば、子羊の前脚のローストは、神の強い手と過越しの羊を象徴する、といった風で、とにかく長い食事会になるようです。
 ですから、パンが運ばれてくると「これは私たちの先祖がエジプトの地で食べた苦難のパンである」と、先祖の体験について語り、それを終えてから、パンを裂き食べていくはずでした。しかしこの夜、主人役を務めたイエス様は「これはわたしの体である」と、実に覚えやすい一言に変えられました。
 これから先、この食事をするときには、エジプトから脱出した夜のことを思い出すのではなく、ご自分の体が人々のために引き裂かれたことを思い出すように、と言われたのです。
 これは弟子たちキリストを信じる者たちへの、新しい出発の宣言でした。あなたたちは先祖がエジプトから新天地へ旅立ったよりももっと遠くへ、もっと苦難の道を、福音を携えて歩き出すことになる、しかし、神様が必ず導いてくださる、と告げられ、それを覚えておくように、とパンを裂かれたのです。
 そして食事の後掲げられた杯は、感謝と契約の印でした。イエス様は、この時もシンプルな言葉に変えられました。ご自分があなた方のために血を流すから、それを信じるものはこれを飲みなさい、と言われたのです。
 キリストの集まりで、信じてこれを飲む者は誰でも、神の国に入り、全てを相続する権利をイエス様から与えらえる、とも告げられました。どんなに小さい子どもであっても、高齢者であっても、無知な人も賢い人も、一度この契約を交わしたならば、永遠に破棄されることはないのです。

 私たちは今、イエス様の姿をこの目で見ることはできません。しかし聖餐式に預かるたびに、イエス様がここにおられること、そしてこの食事の出来事を通して、神様が祝福しておられることを思い出すのです。
 
 本日私たちはこの世界が、国が、緊急事態の時に、聖餐の糧を受け、み言葉を聞くことを許されました。本来ならば、教会員、教会学校の生徒たち、幼稚園の先生など、全員で祝福を受けたいところではありますが、今の状況では難しいことです。しかし、聖書の言葉、約束の言葉は生きています。

 これから先、さらに事態が悪化すれば、皆で礼拝に集うことはさらに困難になります。
 しかしあなたを招いてくださるイエス様の、十字架の上に裂かれたお身体と流された血潮を忘れてはなりません。私たちは祈りつつ、話し合いつつ、どれほど困難な旅路であっても、約束の地である御国に向かって歩んで参りしょう。


園に桜の枝が届けられました
入園式の日、玄関に飾られました


例年とは違って4月2日(木)に簡素な入園式が行われ、
新しい子どもたちが仲間に加わりました
コロナによって中断することのないよう願っています

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