2019年2月28日木曜日

説教「心から信じるとおりに」(ルカ福音書第7章1節~10節)


2019224日、顕現節第8主日礼拝(―典礼色―緑―)、列王記上第841-43節、ガラテヤの信徒への手紙第11-10節、ルカによる福音書第71-10節、讃美唱117(詩編第1171-2節)

説教「心から信じるとおりに」(ルカ福音書第71節~10節)

 主イエスは、平地の説教において、民衆の耳へとすべてのそれらの言葉を満たした後、本拠地であったカファルナウムの町へお入りになりました。そして、このカファルナウムに、一人の百人隊長がいて、その奴隷である信頼していた部下が重い病気であり、死にかかっていました。
 この百人隊長は、主イエスのことを聞き、ユダヤ人の長老たちを、主イエスのところへ死者たちとして送りました。
 そして、長老たちは言うのです。「あの方は、あなたがその部下を救ってあげる価値があります。なぜなら、彼は、私たち国民を愛しており、私たちのために会堂を建ててくれたからです」と。
 それで、主イエスは、彼らと共に彼の家に向かって進んで行きます。ところが、彼らが彼の家に既に近づいたとき、百人隊長は、今度は、友達たちを使いに出して言うのです。「主よ、煩わされないでください。私は、あなたを私の家の屋根の下にやって来られるのには、値打ちがない者です。だから、私自身が会いに行くのもふさわしくないと考えたのです。
 ただお言葉を言ってください、そして、私の僕は癒されよ。なぜならば、わたしも権威の下に配列されている者ですが、私の部下のある者に、向こうに行けと言えば、彼は行きます。別の者に、こちらへ来いと言えば、彼は来ます。
 また、私の部下に、これをしなさいと言えば、彼はそうするのです」と。
 百人隊長は、ヘロデ・アンティパスの下で、百人の兵隊を与えられていて、警備をしたり、関税を守ったりする仕事を与えられていました。
 兵士たちは、百人隊長の命令に従わないと、命の危険にもさらされます。ですから、兵士たちは、百人隊長の命令にしっかりと従わねばなりませんでした。この百人隊長は、ユダら人たちからも尊敬され、主イエスによって、その重病の死にかかっている、価高い部下、しもべを救ってもらうのに価すると、主イ
エスに助けを懇願したのです。
 けれども、その百人隊長は、異邦人であって、心の低い、慎ましい人でした。自分は、異邦人でもあり、神を畏れる者ですが、主イエスよ、あなたに、私の家の屋根の下に来ていただく値打ちはない者です。ただお言葉を言ってください。そして、私の僕は癒されよと、友達を遣わして、伝えたのです。
 主イエスは、この言葉を聞いたとき、驚き、感心して言われます。
 「言っておくが、イスラエルの中でも、このような信仰は、私は見たことがない」と。
 主イエスは、そのお言葉によって、その通りにすることができると、この百人隊長は信じたのです。そのような信仰は、神さまが、この百人隊長に働いた結果、生まれたものです。私たち、日本人も、韓国の人も、主イエスの生まれたイスラエルから見れば、今日の百人隊長と同じ異邦人、外国人でありました。
 しかし、神さまが与えられる信仰によって、私たちも、イスラエルの国の人たち、主イエスの国の人と同じように、神の救いに与ることができます。
 どこの国の人でも、主イエスさまから、あなたの信仰は見上げたものだとほめていただくことができます。
 人から見れば、今日の百人隊長は、ユダヤの人々を愛し、その会堂、シナゴーグまで建ててくれた、主イエスに助けてもらうに値する人でした。しかし、この百人隊長は、私の家の屋根の下に入ってもらうには、私は価しない者です。あなたのところへ自分から出かけてお願いするのも、ふさわしくないと思ったと、友達に伝えさせています。
 このような信仰を、神さまが、この百人隊長に与えてくれました。私たちが主イエスを信じることは、神さまからのプレゼントであります。主イエスはこの人の慎ましく、控えめな信仰をほめられます。神さまがこの百人隊長の信仰を与えてくださったのです。
 私たちも、主イエスを救い主と信じていますが、そこではもはや、古い人も新しい人も、男も女もありません。
 百人隊長と、主イエスとは、結局、実際に顔と顔とで出会って話すことはありませんでした。百人隊長が送った、ユダヤ人の長老たちや、二度目に送った友達たちが戻ってみると、その危篤だった僕は、既に元気になっていたのでした。
 今日の百人隊長の物語は、私たちにも与えられている神さまからの贈り物です。
 こうして、世界中の人々に、神さまは、主イエスによってほめられる信仰を与えてくださいます。私の家の屋根の下に、主イエスよ、私はあなたをお迎えできるような値打ちのある者ではありませんと、私どもも、お友だちを通して伝えるような信仰を求め祈りたいと思います。

 人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなた方の心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るように。


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