2017年5月1日月曜日

「信じるトマス」(ヨハネによる福音書第20章24節~29節)


ヨハネによる福音書第2024-29節、2017430日(復活後第2主日礼拝―白―)、使徒言行録第236-47節、ペトロの手紙一第117-21節、讃美唱100(詩編第1001-5節)
  
説教「信じるトマス」(ヨハネによる福音書第2024節~29節)

今日は、復活後第2主日で、イースターから、3回目の主の日ですが、今日の記事、ヨハネ福音書第2024節から29節は、イースターの翌週の主の日に起こった弟子たちへの二度目の復活の主の顕現の記事ですので、古くから伝統的には、2回目の主日に読まれる個所であります。
最初の主のご復活になられた日、イースターの日に、閉ざされた家の中に集められていた時に、主は平和があなた方にと挨拶されて、弟子たちのところにやって来られましたが、そのとき、ディドモと呼ばれるトマスはそこにはいませんでした。主イエスの壮絶な十字架の死に恐れを抱き、絶望の底にあって、独りでいたのかもしれません。
ほかの10人の弟子たちは、自分たちは「主を見た」と告げましたが、トマスは容易には信じません。主の両手の傷跡を見、そこに指を入れるのでなければ、そしてまた、そのわき腹に手を入れてみなければ、自分は決して信じないと言い張るのです。
このトマスは、ラザロが死んだときに、主イエスがベタニアに行こうと言われたときに、何かを感じて、自分たちも一緒に行って死のうではないかと言ったことがあります。また、最後の晩餐の席では、主が、あなた方は私が行こうとしている道を知っていると言われたときに、自分はあなたが行こうとしている道は分かりません、それを教えてくださいと正直に尋ねた弟子であります。
そして、それに答えて、主は、私は道であり、真理であり、命であると言われたのであります。
私どもが、本当に恐れ、疑い、深い絶望の中に置かれているときには、復活の主を信じることなどできません。しかし、そのような困難を乗り越えることは、復活の主が自らお出で下さらなければできることではありません。
この、主のご復活から8日たった2回目の主のご復活を祝うべき主の日に、今度は、トマスも一緒に弟子たちとともにいました。教会の礼拝をしているところに、その主であられるご復活の主イエスもそのみ体で、お出でになられるのであります。
その日、同じように、閉ざされた家の中に、ご復活の主は、それを乗り越えられて、しかも、十字架の傷跡を保ったままで、その復活の体をもってやって来られる。
そして、再び、平和があなた方にあるようにと挨拶なさり、弟子たちの真ん中にお立ちになられます。しかし、この二度目の弟子たちへの、顕現は、トマスを目指してのものでありました。
そして、主は、私の手を見なさい、そして、指をその傷跡に持ってきて入れなさい、わき腹に手を入れなさいと、ご自分の体を示され、不信仰にならないで、信仰的になりなさいと教えられるのであります。
それを見て、トマスは、どうしたでしょうか。彼はご復活の体の主イエスをその眼で見るや、「あなたこそ私の主であり、私の神です」と信仰告白の言葉を向けるしかありませんでした。
この疑い深く、頑固であった、ある意味では弱い信仰の弟子であったトマスが、ここにあなたしか、私の主はおられず、私の神はおられませんと脱帽したのであります。
昔から、イースターの前夜に向けて洗礼を受ける者が一番多かったのです。そして、イースターの次の主の日であるこの日は、洗礼を思い起こす主日として重んじられてきました。
主の洗礼にあずかった者たちは、この日のトマスとともに、「あなたこそ、私の主、私の神」と信仰を告白して自分の洗礼を思い起こしたのであります。
トマスは、不信仰から、信じる者へと、ご復活の主のみ傷のお体を見せられ、平和があるようにと言われ、信じる者になるようにとのみ言葉によって、新しい弟子へと変えられていったのです。
私どもは、このような者でも、自分は洗礼を受けていると、この主の日、トマスとともに、主のご復活を心から祝うことができます。
自分が変えられ、復活の主とともに、その平和の裡に歩み者とされたことを、はありません。
主が、復活させられて、私どものもとに、平和があるようにと祝福されながら、入ってきてくださいます。もはやどのような恐れも、疑いも、戦いも、この主とともに乗り越えることができます。
もはや、トマスは、疑い深いトマスではなく、信じるトマスとされています。
私どもも、このトマスとともに、変えられて、洗礼に至らせていただいた復活の主イエスを、「わが主、わが神よ」と告白することができます。あなた以外には、私には主人はおらず、私の神はおられませんとはっきり告白することができます。
そして、この復活の主とともにある平和をのべ伝えるものと主イエスはならせてくださいます。

アーメン。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

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