2018年3月26日月曜日

「ホサナ、主の名によって来られる方に祝福あれ」(マルコ福音書第11章1節~11節)


2018325日、枝の主日礼拝(―典礼色―紫―)、ゼカリヤ書第99-10節、フィリピの信徒への手紙第26-11節、マルコによる福音書第111-11節、讃美唱92(詩編第922-10節)

説教「ホサナ、主の名によって来られる方に祝福あれ」(マルコ福音書第111節~11節)

 灰の水曜日から、レントの期間を過ごしてきましたが、それもいよいよ残すところ1週間となり、今日から、受難週、聖週間に入ります。今日の日曜日は、棕櫚の日曜日と言われてきましたが、最近は、枝の主日と呼んでいます。

 そして、ルーテル教会では、アドベントの第1主日に、今日と同じエルサレム入城の記事が読まれます。そこでは、クリスマスに向けて備えるアドベントに入る最初に読まれ、まことの王としてのキリストをお迎えするのに備えるために読まれます。

 そして、今朝の枝の主日においては、特に十字架におつきになられる受難の主という意味で、再び同じエルサレム入城の記事が読まれるのです。一年の教会暦の聖書日課において、毎年二回にわたって同じ記事が読まれるように与えられているのは、私の記憶する限り、このエルサレム入城の記事だけであります。

 主日を除く40日間にわたって、私どもはレントの季節を過ごしてきました。そしてその旅路の終わりの最後の主の日に、今日のエルサレム入城の出来事が毎年読まれ、説教されます。

 それは、主イエスが生きておられたユダヤ教の時代には、三大祭りの一つとして、過ぎ越しの祭りを祝うために、はるか遠くの離散のユダヤ人たち、ディアスポラのユダヤ人たちも、エルサレムに向かって巡礼の旅をしました。その後に、過ぎ越しの祝いを、この都の神殿で行っていたのです。そして、私どもは、今では、主イエスの十字架への道行きをおぼえるレントの終わりの時に、エルサレム入城の枝の主日をおぼえ、受難週の洗足聖餐礼拝、受苦日の礼拝を守って、来週はイースターの日曜日、復活祭の礼拝を迎えるのであります。

 さて、今日の記事は、主イエスの一行はいよいよエルサレムに近づいたとの記述から始まり、最後もそのエルサレムにお入りになって、主は神殿の境内を見廻しておられたとの筆で終わっています。エルサレム、しかもその神殿が、主イエスの目指す目当てであります。これからは、エルサレムの神殿においてではなく、私の体を神殿とする、霊と真との礼拝をあなた方は守るようになると教えておられたそのことが、実現することに向けて、この日の主のふるまいも言動もなされるのであります。

 主は、不思議なお言葉を、オリーブ山のふもと、ベトファゲとベタニアとに近づかれたとき、二人の弟子に言われます。向こうの村へ出て行きなさい、そうすると、直にまだ誰も乗せたことのない子ろばがつながれているのを、あなた方は見出すだろう。それを解いて連れて来なさい。もしだれかが、何でそんなことをするのかと言ったら、その主がお入り用なのですと答えなさい。そうすれば、許してくれると。そして、二人は出て行き、その通りになります。

 そして、そこに居合わせた人たちの内のある者たちがどうしてそんなことをしているのかと聞いたので、主が言われた通りにすると行かせてくれました。

 これは一体どうして起こったことなのでしょうか。「主がお入り用なのです」は「それの主が必要を持っている」というのが直訳です。子ろばの主人が了解していて、主イエスが、事前にお膳立てをしていた通りに事が運んだということでしょうか。というのも、他の個所で、マルコ福音書で主イエスがご自身のことを、主と呼んでいるところはないからです。あるいは、ここでの「主」とは、神御自身を指して、神のご意志として、子ろばを欲しておられるということでしょうか。

 むしろ、主イエスは、ここで初めて、ご自分を父なる神のみ子として、ご自分の主権を指し示すために、「主がお入り用です」と言わせたのではないでしょうか。それに対して、持ち主たちはそれを認めて、子ろばを連れて行くのを許したのであります。

 そして、子ろばを連れて来た二人も、自分たちの上着を、その上に敷き、主イエスの御座とし、多くはその前にその外套を広げ、別の者たちは刈ってきた葉のついた枝を敷き詰めるのであります。この方こそ、自分たちの主であると、期せずして表わしているのであります。「ホサナ、主の名によって来られる方に祝福があるように」。今朝の枝の主日の聖書の出来事は、私たちが、まことにこの方を王として、主として礼拝しているかを改めて問うている主イエスの語りかけなのであります。その主に従って受難週を過ごしたいものです。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

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